白の闇 / ジョゼ・サラマーゴ
12月に入りました。長い夜、なるべく多くの本を読みたいと思ってはいるものの・・なかなか・・。
映画化され、公開になりました、「ブラインドネス」の原作。
面白かったから読んでみて・・と、とても大切な方から最近いただきました。
映画ではジュリアン・ムーア、我らがガエル・ガルシア・ベルナル(久々だな・・)、日本からは木村佳乃さんや伊勢谷クンらが出演しています。
監督は「ナイロビの蜂」「シティ・オブ・ゴッド」などのフェルナンド・メイレレス監督ですね。
映画の方は、また観るのを是非是非楽しみにしておこうと思います。
ある男が突然、失明した。視界がまっ白になる病気。原因不明のまま、伝染病のように感染は広がってゆく。政府はかつての精神病院を収容所にして、患者の隔離をはじめる。そこでは、秩序が崩壊し、人間の本性がむきだしになってゆく。阿鼻叫喚の世界。やがて国中が目の見えなくなる病気に侵されて…。圧倒的な空想力で描かれる現代の寓話。ヨーロッパで最も独創的な作家の衝撃的作品。1998年ノーベル文学賞受賞者・サラマーゴの最高傑作。 [Amazon]
パッと本を開いて、まずズラズラと文字がギッシリだったので、これは・・読むのキツイかも・・って思っていたんですが、読み始めると一気に読んでしまいました。
目が見えて当たり前の日常、ある日突然視界が真っ白になったしまったら・・・
想像がつかない世界です。
でも、でも、きっと人間のエゴがむき出しになって、小説の中にあるような展開になってゆくってことは充分考えられることです。
とても恐ろしい・・
目が見えないことよりももっと怖い人間の奥底にあるもの。
圧倒的迫力で読む側を引きつけていきます。
医者の妻役が映画ではジュリアン・ムーアなんですね。
なぜか医者の妻だけが真っ白にならないで、その荒んだ世界を目の当たりにすることになります。
目が見えるということの有難さ・・つくづく感じます。
何の原因であぁいう世界に陥ってしまったかは、特に問題にはなりません。
ただ、白い闇が広がらないにしても、ちょっとしたことがきっかけで秩序が失われてゆき、恐ろしいことが起こりうる・・ということをリアルに浮き彫りにしてて、怖いのは人間だ・・って。
見えないから何をしてもわからないだろう・・そう考えてしまい、解っていても人間は弱い者だからやはりあらゆる欲望に支配されてゆくのが現実なんでしょうか。
視界が元に戻ってしまった時、どういうリアクションで人々は何を考えるんだろう・・
なかなかの力作でした。
映画の方もまた楽しみであります。
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